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第27回日本認知症ケア学会に参加しました

2026年6月6,7日に開催された日本認知症ケア学会に参加しました。
今回の学会の中で、とても印象に残った講演がありました。九州大学の二宮先生の「地域高齢住民における認知症有病率の時代的推移」についてのお話です。
二宮先生は公衆衛生学を専門にされている先生ですが、長らく福岡県久山町の生活習慣病の研究をされています(久山町研究)。今回はその中で認知症の有病率が低下しているという驚くべき研究結果を発表されました。詳細は割愛しますが、2012年厚生労働省発表の認知症の有病率が約15%に対し、今回の結果は12%と有意に低下しているとのことでした。
いくつか原因は考えられますが、講演の中で「認知症を予防する生活習慣が一般的に知られてきたことも一因」と話されていました。
認知症を予防する生活習慣、と聞くと特別なことを想像するかもしれませんが、いわゆる「健康的な生活」です。「禁煙すること」、「食べ過ぎないこと」、「運動習慣をつけること」。さらに個人的に「なるほど!」と膝を打ったのは「交流頻度」と認知機能の低下の関係です。
以前私が勤務していた病院では、重度の認知症の患者様にも作業療法士の先輩たちは暖かく声をかけていました。たとえその患者様の反応がなくても、リハビリをベッドサイド(病室で行う)で行うときも。また、深い認知症の患者様の中には話しかけても帰ってきた反応が一般的には理解しがたいことがあります。それでも先輩たちは優しく対応し、その患者様を否定せず、むしろそれが「現在のその人」として受け止め、「大切な自分の担当の患者様」として作業療法室で他の作業療法士に紹介してくれていました。そのような対応を継続していくと、中には認知機能が改善される患者様もいらっしゃいました。私はそれを不思議に思っていましたが、今回の学会で二宮先生が「交流頻度と認知機能の低下には相関がある」とお話をしてくださって、やっと腑に落ちました。
他者と交流することで、認知症発症リスクが低下するということが明確に示されたのです。認知症が重度でも、脳の病気があっても前向きな交流は様々なリスクを減らしていくのです。
私は今後も、先輩たちがしていたように、たとえ重度の認知症の方であっても「その人らしさ」を大切にして、コミュニケーションを積極的にとっていきたいと思います。